http://bible.us/Matt25.14.JLB
天国はまた、他国へ出かけたある人の例で説明できます。 彼は出発前に、使用人たちを呼び、『さあ、元手をやるから、これで留守中に商売をしろ』と、それぞれにお金を預けました。
めいめいの能力に応じて、一人には百五十万円、ほかの一人には六十万円、もう一人には三十万円というふうに。 こうして、彼は旅に出ました。 百五十万円受け取った男は、それを元手にさっそく商売を始め、じきに百五十万円もうけました。 六十万円受け取った男もすぐ仕事を始め、六十万円もうけました。 ところが、三十万円受け取った男は、地面に穴を掘ると、その中にお金を隠してしまいました。
だいぶ時がたち、主人が帰って来ました。 すぐに使用人たちが呼ばれ、清算が始まりました。 百五十万円預かった男は三百万円を差し出しました。 主人は彼の働きをほめました。 『おまえはわずかなお金を忠実に使ったな。 今度はもっと大きな責任のある仕事をやろう。 私といっしょに喜んでくれ。』
次に、六十万円受け取った男が来て、報告しました。 『ご主人様。 ごらんください。 あの六十万円を倍にしました。』 『よくやった。 おまえはやり手で、しかも忠実なやつだ。 わずかなお金を忠実に使ったから、次はもっとたくさんの仕事をやろう。』主人はこの男もほめてやりました。
最後に、三十万円受け取った男が進み出て、言いました。 『ご主人様。 あなた様はたいそうひどい方でございます。 私は前々から、それを存じ上げておりましたから、せっかくお金をもうけても、あなた様が横取りなさるのではないかと、こわくてしかたがなかったのです。 それで、あなた様のお金を土の中に隠しておきました。 はい、これがそのお金でございます。』
これを聞いて、主人は答えて言いました。 『なんという悪いやつだ! なまけ者めが! 私がおまえのもうけを取り上げるのが、わかっていたというのか。 だったら、せめて、そのお金を銀行にでも預金しておけばよかったのだ。 そうすりゃあ、利息がついたじゃないか。 さあ、こいつのお金を取り上げて、三百万円持っている者にやってしまえ。
与えられたものを上手に使う者にはもっと多くのものが与えられて、ますます豊かになる。 だが不忠実な者は、与えられたわずかなものさえ取り上げられてしまうのだ。 役立たずは、外の暗やみへ追い出してしまえ。 そこで、泣きわめくなり、歯ぎしりしてくやしがるなりするがいい。』
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