2025年7月23日水曜日

もしそれをしなければならないなら~パトリシア・カース(フランス)

 「Et S'il Fallait Le Faire」は、フランスのシャンソン歌手

パトリシア・カースが2009年に発表した楽曲で、

同年のユーロビジョン・ソング・コンテストで

フランス代表として披露されました。



この曲のタイトルは

「もしそれをしなければならないなら」という意味で、

深い愛と献身をテーマにしています。



現代のポップラブソングが

軽快なリズムやキャッチーなメロディを重視するのに対し、

この曲は静かで重厚なメロディに乗せて、

まるで舞台のモノローグのように語りかける

演劇的でクラシックなシャンソンのスタイルです。



歌詞では、愛する人のためなら地球を止めたり、

時間を止めたり、冬を春に変えたりするほどの

覚悟があると語られています。



~S'il fallait le faire, j'arrêterais la terre~ 

(もしそれをしなければならないなら、私は地球を止めるでしょう)



~Je repousserais l'hiver à grands coups de printemps~

(冬を春に変える)



~J'arrêterais le temps~

(時間を止める)



これらはすべて、愛の力が

自然や時間さえも超えるという比喩的な表現です。



歌の後半では、語り手が

自分自身を完全に相手に捧げる覚悟を語ります



~Jusqu'à n'être plus rien, qu'une ombre qui te suit~

(あなたの影になる)



~Mon cœur veut bien saigner~

(心が流血しても構わない)



ここでは、自分の存在を消してでも

相手に寄り添いたいという、

極端なまでの献身が描かれています。



また、「あなたの目の青さを見つめたい」

「あなたの声を毎晩聞きたい」など、

相手の存在そのものに

深く惹かれている様子が繰り返し登場します。

これは、愛が単なる感情ではなく、

生きる意味そのものになっていることを示しています。



この曲は、静かなメロディに乗せて語られる

壮大な愛の宣言であり、聴く人の心に深く響く作品です。

このように、無条件の愛と自己犠牲を象徴する言葉が並び、

聞く人の心に強く訴えかけるバラードです。



~Jusqu'à n'être plus rien, qu'une ombre qui te suit~

(あなたの影になるまで、私は何者でもなくなってもいい)



ユーロビジョン2009の舞台では、

カースが一人でマイクスタンドの前に立ち、

シンプルかつ力強いパフォーマンスを披露し、

観客から大きな拍手を受けました。



この曲は、パトリシア・カースの

成熟した歌唱力と感情表現が光る作品であり、

彼女のキャリアの中でも特に印象的な一曲です。



#Patricia_Kaas  #Et_S'il_Fallait_Le_Faire  #France

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